一般社団法人 コ・イノベーション研究所

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by 橋本 大佑(はしもと だいすけ)

JICA研修 17日目報告①

昨日は朝8時に仙台を発ち、岩手県陸前高田へ移動しました。

今日開催される「たかたサントリーカップ」という卓球バレーの大会に参加することが目的です。

午前中は東日本大震災津波伝承館を訪れ、黙祷を捧げ、伝承館を見学しました。

現在、伝承館があるところには、かつて野外活動センターがありました。様々なアウトドア活動に加え、屋外スポーツ施設と宿泊施設を完備した複合施設でしたが、震災で大きな被害を受け、宿泊を伴う施設は被災地域に作れないということで街の中心から15分ほど離れた海抜25mの高台に移転して昨年度リニューアルオープンしました。

伝承館の後はその岩手県立野外活動センターに移動して、施設見学に加えて被災時の状況を含め、ご説明をいただきました。

新しいセンターはバリアフリー化されており、障害のある方の宿泊に必要な設備(お風呂など)も整っており、バリアフリーなスポーツ施設の視察としても研修員には学びになったようです。

伝承館でも野外活動センターでも、震災時の写真や動画を見たときに同じ言葉を掛けられました。

「気分悪くなったりしてないですか?」

という言葉です。

おかげさまで岩手県には7年間にわたって関わらせていただいているのですが、こういうやさしい声掛けは、岩手県の県民性だなと思います。

伝承館で働いている方も被災者だと思います。トラウマのある人もいると思いますし、大切な方を亡くされた人もいると思います。

写真や動画を見ることが辛い記憶に触れることもあるだろう中で、その震災の記憶とそこから得られた知見を届けようとされるのは本当に尊い仕事だなと心打たれました。

古くは冷害による飢饉、近代以降も複数回自然災害の被害を受けるなど、苦しいことは少なくなかった地方とは思うのですが、いつも関わる方から「いいよ、いいよ」「大丈夫、大丈夫」という明るい言葉を聞いて救われているところ、結構あるなと感慨深く思い返しました。

この記事を書いた人

橋本 大佑(はしもと だいすけ)
代表理事
筑波大学で障害児教育を学んだ後、渡独して現地日系企業(THK株式会社)に勤めながら障害者スポーツを学ぶ。2009年に帰国し、障害者の社会参加を促進するためのスポーツを活用した事業を実施。2016年より現職。国内外で共生社会や障害者スポーツ指導者養成に関わる講習を行う。また共生社会の実現に向けて企業を対象としたセミナーやコンサルタントも行う。
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