一般社団法人 コ・イノベーション研究所

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by QUIs(くいず)

JICA東京にて、来日研修に参加しました!

こんにちは、インターン生の家中です。

 

JICA東京で開催された、「スポーツを通じた障害者の社会参加の促進」研修に2/10(金)と2/13(月)の座学、2/12(日)の車椅子研修と、3日間参加しました。

 

〜1日目〜

1日目は、障害者支援を行なっている中西由起子さん、JICA職員の方と協力隊員の方、橋本さんの講義の3パートに分かれていました。

中西さんは、自身も障害を負っていることから、障害者の自立生活運動とスポーツへの参加をテーマにお話しいただきました。これまでインターン研修等で説明されていた「社会参加のツール」というスポーツの位置付けを改めて理解し、さらに当事者から聞くことでその深みが増しました。

中西さんは、D&Iの”I”について、「みんな違ってみんないい」と表現されていました。このことから、空間的・物理的だけではなく、心理的にもInclusion することを中西さんは大切にされているのかなと感じました。それは個人レベルで変えられることであり、逆に制度や設備がどれだけ整備されてもそれだけでは不十分だというメッセージだったように思います。

中西さんの講義にはディスカッションパートが何度かあり、オリンピックとパラリンピックを合併させるべきか、というテーマと、eスポーツを障害者にとってスポーツと位置付けるか、遊びと位置付けるか、の2点は特に面白かったです。1つめのテーマに対するディスカッションを聞いていると、パラリンピックについて、みなさんがどう考えているかわかってきました。

オリンピックも平和の祭典という大きなテーマを掲げていますが、パラリンピックは「共生社会の実現」を目指しているという点を強調している方が多く、パラリンピックは競争を超えたところにあり、社会的メッセージがより重視されているのだと感じました。

 

2つ目のテーマでは、スポーツとはなにかについての考えが分かりました。スポーツを形作る要素は「競争」であったり、「対戦相手へのリスペクト」であったり「戦術」であったりと人によって異なり、スポーツとは何か、や、パラリンピックの固有性について考えさせられました。

 

最後に橋本さんから、日本における障害者スポーツについての講義がありました。日本の障害者スポーツの指導や統計の取り方に対する課題を改めて聞き、日本の現状について、客観的な理解が深まりました。

参加者の方も自国の状態と照らし合わせて質問を投げかけていて、日本は他国の例としてではなく、ともに同じ課題に取り組む仲間として在ることが必要なのかなと思います。



〜2日目〜

2日目は車椅子講習に参加しました。前日はキャスター上げをやったそうなので、この日はマットのぼりやボール拾いなど実践的な内容でした。介助の仕方も学び、自分で操作するのとは違う難しさを見ていて感じました。

また、施設の外に出てみると、少しの段差が車椅子操作に大きな障害となること、普段の道は体育館のように平坦ではないため、衝撃や操作のしづらさがかなり大きいことが分かりました。これまで私が参加した研修では外に出て車椅子を使うことはなかったため、普段の道にどれだけの障害が存在しているか、考えるきっかけになりました。

 

車椅子ユーザーの方からの生の声が聞けるのがこの日の特に良いところだったと思います。

車椅子の機能や日常生活について教えていただき、普段気軽には聞くことができない内容を知ることができました。後ろから声をかけられると怖いなど、私たちがどのように接すればより快適なのかも知ることができ、普段の生活に直結するような内容でした。

また、「できない」と見られることに対する不快感や、人間性ではなく「車椅子ユーザー」という属性を見られがちなことなど、1日目に中西さんが言っていた、「みんなちがってみんないい」に通ずる部分があり、意識が変わる必要性を改めて感じました。

同時に、私たちのようなインターンシップや今回の研修は「みんなちがってみんないい」に近づく重要な機会なのに、その機会を得られる人が多くないことは課題だと思いました。



〜3日目〜

3日目は、戸山土曜会代表の福田彰さんに、土曜会について、自身の障害についてのお話をいただきました。

福田さんは言語障害を受障しており、土曜会の他のメンバーも同様です。そのため、集まりを開いても、うまく話せない姿を見られたくないという思いから参加する人は少なかったようですが、会話の必要のないスポーツという形に変えると、参加者も増えたそうです。

実際、土曜会を通じて、74名が就労復帰をし、37名が以前在籍していた会社に復帰したそうです。

確かにスポーツは、配慮が必要ですが多くの人が楽しむことができ、言語や身体状態の壁を取り払うことのできるツールだと思います。

ここでも、社会参加のツールとしてのスポーツの多様性・可能性を実感しました。

また、福田さんの受障についてのお話から、昨日できたことが急にできなくなってしまうことの怖さや先が見えない不安の大きさを知り、自分だったら、福田さんがそうであったように、知り合いに見られることへの抵抗はとてもあるだろうし、不安によって、楽しいことも楽しく感じられなくなるだろうと思いました。

しかし福田さんの復帰も、土曜会メンバーの復帰もスポーツを通じてでした。スポーツは、当事者にも周囲の人々にも、障害への認識を変化させる力をもっていることがわかります。

 

3日間研修に同行し、多様なテーマでお話を聞きましたが、特に心に残ったのは、障害者に対する偏見や共感の難しさなどの、共生のために重要となる課題です。

これから研修生のみなさんはJICA東北のある、仙台に移ります。私も来週参加するため、さらに学びを深めたいと思っています!

この記事を書いた人

QUIs(くいず)
COILインターンシップ
コ・イノベーション研究所(COIL)インターンシップ生によるチーム。社会課題の解決、共生社会の実現に向けて事業立案、企画運営、コンテンツ制作など取り組んでいます。
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