一般社団法人 コ・イノベーション研究所

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富山県のインクルーシブ広場の評価について思うこと

インクルーシブ広場の評価について

ンクルーシブな遊具を設置したインクルーシブ公園が全国的に増えています。
富山県にあるインクルーシブ広場では、障害児の利用率が7%であり、当初の想定を下回ったそうで、利用率拡大に向けての有識者会議が7月27日に開かれました。

こういったニュースを見るとまず、一次資料を確認するのですが、富山県のホームページを見ると、
障害者の個人情報が含まれるため、議事録等は非公開のようで、少し残念です。

最新の障害者白書では、身体障害(18歳未満)が7.2万人、知的障害(18歳未満)が22.5万人、精神障害(20歳未満)が59.9万人となっており、精神障害については年齢が違いますが、合計すると89.6万人です。19歳以下の人口は約2000万人です。

行政の区分が違うと統計データの年齢区分も違うのでややこしいですね。

これらの数字から考えると18歳未満の人口の障害のある比率は5%未満と推計されます。
こう考えると利用者の7%が障害児というのはそんなに低い数字ではないように思います。

また、どういう風にその数字を求めたかというのは公開してほしいところです。

障害児の大多数を占める精神障害には発達障害など外見からわからない障害が含まれますので、そういった方々がカウントされているかは気になるところです。

インクルーシブ遊具は多くの場合身体障害児の利用を想定していると思うので、利用した7%の多くが身体障害ということであればすごい数字になりますし、そうでない場合は何故身体障害以外の障害児の利用が促進されたかがとても気になります。

ただ行政側で明確な目標値を設定して、その実現に向けて取り組んでいるのは、他のインクルーシブ公園でも続いて欲しいアプローチです。

(外部リンク)
障害児の利用率アップへ『インクルーシブ』の理解を広めるイベントを9月に開催…富山県の広場利用率は7%|FNNプライムオンライン ▷https://www.fnn.jp/articles/-/563706

この記事を書いた人

橋本 大佑(はしもと だいすけ)
筑波大学で障害児教育を学んだ後、渡独して現地日系企業(THK株式会社)に勤めながら障害者スポーツを学ぶ。2009年に帰国し、障害者の社会参加を促進するためのスポーツを活用した事業を実施。2016年より現職。国内外で共生社会や障害者スポーツ指導者養成に関わる講習を行う。また共生社会の実現に向けて企業を対象としたセミナーやコンサルタントも行う。
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