トランスジェンダー女性のトイレ使用制限に関する最高裁判決について ②
トランスジェンダー女性のトイレ使用制限に関する最高裁判決
先日紹介しましたが、トランスジェンダー女性の最高裁判決についてハフポストで全文が公開されています。
5名全ての裁判官が経産省の対応を違法としています。
(外部リンク)
【判決全文】最高裁はなぜ、性同一性障害職員の女性用トイレ使用制限を違法としたのか
▷https://www.huffingtonpost.jp/…/story_jp…
裁判官の補足コメントを引用します。
「自認する性別に即して社会生活を送ることは、誰にとっても重要な利益であり、取り分けトランスジェンダーである者にとっては、切実な利益であること、そして、このような利益は法的に保護されるべきものと捉えられる。」
「性別は、社会生活や人間関係における個人の属性として、個人の人格的な生存と密接かつ不可分であり、個人がその真に自認する性別に即した社会生活を送ることができることは重要な法益として、その判断においても十分に尊重されるべきものと考える。」
全文読んでいただくと背景がよくわかってきます。
これらコメントの背景
例えば、この方は性同一障害であるという医師の診断に加えて、「性衝動に基づく性暴力の可能性は低い」旨の医師の診断も受けています。
これはしんどいなと思うのは、自己の性自認に基づいて職場のトイレを使うにあたって、ここまでしないといけないのかということです。
想像もつきませんが、こういった訴訟をすることによって社会から叩かれることもあれば、心折れることもあったと思います。
しかし、この判決が一つの根拠となり、闘える人も出てくると思いますので、最初に歩いて道を作る行動は尊いです。本当はそんなことしなくてもいいようになればいいんですけどね。
様々なコメントに対して思うこと
Yahooニュースのコメントでは、これで女性が安心してトイレに行けなくなるというようなコメントが横行しています。
それはかなり間違った認識の下で言われていることなので、下記にこの点を論じた記事を共有します。
(外部リンク)
「心は女」と言えば女湯に入れるという根拠なきデマについてのハフポストの記事
▷https://www.huffingtonpost.jp/…/false-accusation…
個人的に、一番この一連の流れで衝撃的だったのはトランスジェンダー女性が、女性の共感対象にならないことですね。
僕の中では性自認が女性であれば、身体的特性に依らず、その人は女性と考えます。
しかし、まだまだ多くの女性にとってはそうではないということですね。
性自認が女性である今回の方にとって、女性から共感される存在でないと突き付けられることは地獄のような想いなのではと考えてしまいますね。