重度障害の当事者として、重度障害の主人公を描いた小説について
重度障害の当事者として重度障害の主人公を描いた小説『ハンチバック』が芥川賞候補作に
不勉強で全然存じ上げなかったですが取り合えずアマゾンで買いました。
リンク先の中に「怒り」として紹介されていた一文が結構刺さりました。
(外部リンク)
芥川賞候補作「ハンチバック」作家・市川沙央さん 重度障害の当事者として描く | NHK
https://www.nhk.or.jp/shutoken/wr/20230626a.html
『―私は紙の本を憎んでいた。目が見えること、本が持てること、ページがめくれること、読書姿勢が保てること、書店へ自由に買いに行けること、――5つの健常性を満たすことを要求する読書文化のマチズモを憎んでいた。』
これが健常者の特権性を指摘したとしてSNSでは話題になったそうです。
「周囲の障害のない人が無自覚に当たり前にやっていることを自分ができない」というこの気持ちは当事者に聞かないとわからないところですよね。僕も基本的にコミュニケーションするときは「まず最初は言われたことを飲み込んでみること」は気を付けてやっています。
しかし、「マチズモ」って言いえて妙というか、こんな視点もあるんだなと言う感じです。通常は男性権威主義で使う言葉と思います。マッチョと同じ系統の言葉ですね。女性で障害があるというのは2重のマイノリティでというのはよく聞くことですが、作者が女性であることから、障害のない人の無自覚の偏見は、女性が男性権威主義に対して感じるものに近いということなのかなとは思います。
タイトルが「ハンチバック(脊椎後弯症)」ですからね、これもダブルミーニングがありそうです。
取り合えず、本が届くのが楽しみです。