一般社団法人 コ・イノベーション研究所

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車いすのまま飛行機に搭乗できるシート開発について

デルタ航空が車いすのまま搭乗できるシートを発表

正確にはデルタ航空の関連子会社ですが、車いすのまま乗れるシートを開発したそうで、その情報が公開されました。

(外部リンク)
Delta Air Lines unveil plane seat designed for wheelchair users

いくつか懸念点があり、あまり普及しないように思いますが、特に車いすユーザーの皆様のご意見をお伺いできればと思います。

日常生活で利用している車いすで、このシートまでアクセスできるのか?

飛行機の通路は狭く、多くの日常用車いすでは通ることができません。
そのため、車いすユーザーが飛行機に乗る際には、幅の狭い専用の車いすに乗り換えます。最近では、荷物検査にも対応できるよう非金属の車いすも開発されています。

まずは、この通路の問題があります。機内のトイレとか行けるのかなとか考えてしまいますね。

乗り心地の問題

チルティングやリクライニングできる電動車いすを除き、一般的に車いすは移動に特化しているため、長く乗っているとそれなりに疲れます。
僕の知り合いにも疲れを軽減するために、お昼休みはクルマに戻ってリクライニングして休む方もいます。

飛行機のエコノミークラスの座席がそれほどよいかと言われると疑問はありますが、少なくとも離着陸で負担のないように作られており、車いすに乗った状態よりは快適だと思うので、自分の車いすに飛行中も乗りたい方がどれくらいいるのかは疑問です。

そもそもシート幅、狭くない?

リンク先の動画を見る限りは、そもそもシート幅が狭そうです。そのため、この幅に入る車いす自体が少なそうに思います。

こういった案件は試行錯誤の中で、いいものもそうでないものも開発され、それなりに市場原理に基づき淘汰されていくのかと思いますが、僕個人としてはシートだけでどうにかなる問題でもなので今回の事例は、あまりよいものには見えないです。

この記事を書いた人

橋本 大佑(はしもと だいすけ)
筑波大学で障害児教育を学んだ後、渡独して現地日系企業(THK株式会社)に勤めながら障害者スポーツを学ぶ。2009年に帰国し、障害者の社会参加を促進するためのスポーツを活用した事業を実施。2016年より現職。国内外で共生社会や障害者スポーツ指導者養成に関わる講習を行う。また共生社会の実現に向けて企業を対象としたセミナーやコンサルタントも行う。
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