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by QUIs(くいず)

コーヒーフラワーについて

こんにちは。インターン生の田内です。 

 

今回は、フードロスや廃棄物といった社会課題に関するリサーチを行った際に学んだ「コーヒーフラワー」についてご紹介したいと思います!

 

飲料としてのコーヒーになるまでに

 

コーヒーの木に花が咲き、緑色のコーヒーの実がなった約8ヶ月後、熟した果実となったものが「コーヒーチェリー」と呼ばれます。

実は、コーヒーには果実があり、果実から脱穀されたものがコーヒーの生豆となります。そこから生豆の選別を経て、コーヒー豆として輸出されるのです。

 

この過程で、基本的に生豆以外の部分は廃棄物となってしまいます。

コーヒーチェリーの廃棄率は97とも言われており、川などへの大量廃棄も行われていたようです。

 

1杯のコーヒーができるまで、大量の廃棄物問題といった環境問題が関わっていることを知りました。

 

コーヒーフラワーの登場

 

そこで生み出されたのが、コーヒーの果皮を乾燥させて粉砕しパウダー状に加工したコーヒーフラワーです。

 

廃棄物とされていたものが食品にアップサイクルされ、コーヒーを生産する農家さんの新たな収入源にもなりうるのです。

新たな価値を秘めるコーヒー副産物としての可能性を感じました!

 

実際に、コーヒーフラワーは小麦粉のように使用されているようです。

小麦粉に混ぜて使用することで、ケーキやクッキーといった洋菓子を作ることができます。

 

そして驚きだったのはその栄養価です!

コーヒーフラワーの50%は繊維質であり、食物繊維が豊富。また、高タンパクかつカリウムやマグネシウムなど、たくさんの栄養素を含んでいます。

グルテンが気になる方や、健康的な食材を取り入れたい人にもぴったりだと感じました。

 

   ↑実際に購入したコーヒーフラワーです!

 

 

実食

 

このような背景から知ったコーヒーフラワーを試してみたい!と言うことで、実際に購入し、パウンドケーキを作ってみました。

 

材料はとてもシンプルで、卵、牛乳、砂糖、ホットケーキミックス、コーヒフラワーのみを使用。

今回はホットケーキミックスの一部をコーヒーフラワーに置き換えてみました。

 

 

 

焼き上がったのは、通常よりも茶色い見た目のパウンドケーキ。味はとても美味しかったです!

 

意外だったのは、コーヒーフラワー自体にコーヒーの香りがほとんどなかったことです。

そのため、焼き上がったケーキにもコーヒーの風味を感じなかったことです。

 

他のインターン生や社員さんにも試食していただき、「おいしい」「あまりコーヒーは感じない」といった意見をいただきました。

コーヒーが苦手なインターン生でもおいしく食べることができたため、コーヒー風味がほとんどないという特徴が却って良い方向にはたらいたと思います。

 

実際に使用してみて、小麦粉等に代替する「粉」としての用途が主となりそうだと再確認しました。

代替することでグルテンフリーとなり、豊富な栄養素を摂取できるといった点から、コーヒーフラワーを代替品として利用する価値はとても高いと思います。

 

他方、今回購入したコーヒーフラワーは約900円/50gと、少し高いなと感じる面もありました。

 

 

 

 

まとめ

 

本来は廃棄物となっていたものがアップサイクルされ、価値ある商品に生まれ変わると言うのはとても素晴らしいことだと思います。

 

しかし、小麦粉自体の供給や消費活動にそこまで問題があるわけでもないため、消費者が実際にコストのかかるコーヒーパウダーで代替しよう!とはなりづらいのが問題点として挙げられると考えます。

加工や海外からの輸入といった工程を経ることで、どうしても高くなってしまう部分はあるようです。

 

また、今回はミャンマーからのコーヒーフラワーを使用しましたが、日本でもコーヒーフラワーは生産できないのかと、ふと思いました。

実は西日本を中心とした一部地域でコーヒー豆は生産されています。

 

国産コーヒーの果皮をコーヒーフラワーにしている事例は見られないですが、日本でもコーヒーフラワーが生産できたならば、廃棄物を減らして新たな商品を生み出し、日本のコーヒー農家さんのもうひとつの収入源にもつながるのではないかと考えました。

 

今回の活動においては、自分が興味を持った社会課題のリサーチを行う中で関連する事例や製品見つけ、実際手にして試してみるという経験をすることができました。

コーヒーフラワーには思ったよりコーヒーの風味やクセがないこと、お菓子作りの経験が少ない私でも簡単に使用できたことなど、商品の価値を実践的に検証できたことは非常に興味深く、良い経験になりました。

 

今回考えた国産のコーヒーフラワーについても、今後リサーチを進めていきたいです。

 

この記事を書いた人

QUIs(くいず)
COILインターンシップ
コ・イノベーション研究所(COIL)インターンシップ生によるチーム。社会課題の解決、共生社会の実現に向けて事業立案、企画運営、コンテンツ制作など取り組んでいます。
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