一般社団法人 コ・イノベーション研究所

各種お問い合わせはこちらから

お問い合わせ お問い合わせ
お問い合わせ

by 橋本 大佑(はしもと だいすけ)

あるCMを観て思ったこと

今日、薬局のテレビでたまたまですが、「フラット35」のCMを観ました。
白石麻衣さんが先導して性別や大人、子どもが混ざる多様な集団がその後ろに付いていく、という演出になっています。
  
   
(外部リンク)
【フラット35】CM:しあわせへと続く道篇(30秒) – YouTube

 
 
よく観ると画面上で白石さんの左側に車いすユーザーの男性が加わっています。
  
Facebookでも何度も投稿していますが、特別な意味を持たない障害者が背景に混ざっているというのは、制作者にとって、多様な属性を持つ集団の中には障害者も含まれるという認識があるということなので、とても大きな一歩と思います。
  
障害者が主人公であるCM、ドラマ、映画を否定はもちろんしませんが、そういった主人公が障害を持つ意味が何がしかあることが多く、そこにはネガティブな偏見が見えるものがよくあります。
  
そういった意味では今回のCMはとても良いなと思いますが、乗っている車いすが0点です。このタイプの普通車は介助されることを前提に処方されるもので、自分で車いす操作ができる人が使う車いすではありません。
 
そのため、制作者には多様性に対する意識はあるけど、立って歩ける障害のない演者を車いすに乗せれば車いすユーザーでしょ、っていう理解度が見えてそこが非常に残念です。乗り方も、車いすが身体に合ってないので多分腰は少し前に出てるし、足は開いているし、で、見た目がよくないです。
  
ただ、文句は言いましたが、大きな一歩であることには変わらないと思います。今後、増えていくといいなと、そしてその時には車いすユーザーを演者として使ってほしいなと思います。

この記事を書いた人

橋本 大佑(はしもと だいすけ)
筑波大学で障害児教育を学んだ後、渡独して現地日系企業(THK株式会社)に勤めながら障害者スポーツを学ぶ。2009年に帰国し、障害者の社会参加を促進するためのスポーツを活用した事業を実施。2016年より現職。国内外で共生社会や障害者スポーツ指導者養成に関わる講習を行う。また共生社会の実現に向けて企業を対象としたセミナーやコンサルタントも行う。
戻る