一般社団法人 コ・イノベーション研究所

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「やらなければならないこと」との闘い

ADHDにとってマルチタスクやタスク管理は永遠のテーマです。リンク先の記事にあるように特定の脳内物質の伝達の不備により、締め切りを守って仕事をするという当たり前のことが非常に苦痛な作業になります。

興味関心があることと、それほどではないものへと取り組み方の違いは正に病的で、会社でもよく言いますが、コピー用紙に三枚領収書を貼るよりも、6時間の講義の講師を勤める方が心理的、肉体的負担が少ない実感があります。

また、締め切りが迫らないと気持ちを切り替えられず、そもそもその課題に取り組むことができないことも日常茶飯事で、だからこそ日常生活も仕事もスケジュールを整理して取り組むことが大事です。

今、このタスクと集中力のマネジメントには、仕事の整理は会社の人に、日常生活の整理は訪問看護でサポートしてもらっています。

ここで大事なことが「休むこと」です。特に集中力は、目盛りが0と100しかないため、ちょっと仕事をしても結構疲弊します。

ただ、この「休む」というのが結構難しくて、基本的に「休む」ということは単に体を休めることや、気晴らしに趣味を嗜むことではなく、「やらなければならないことがない状態」を作ることです。

ただ、そんな理想的な状態を作ることは難しくて、「近々に圧迫感を伴って締め切りのある緊急性の高い仕事がない状態」をまず作り、その後に「自分が納得できる程度に質の高い日常生活が行えている状態」を作るというのが現実的です。

本来はある程度の質の日常生活の上に、社会生活としての仕事があるべきですが、仕事が忙しくなると日常生活の質が落ち、日常生活の質が落ちることで日々の回復の質が落ち、さらに仕事に時間が掛かるという負のスパイラルが簡単に始まってしまいます。

さて、長々と書いてきましたが、会社の方々や周囲の支援もあり、去年の8月以来、久々に「近々に圧迫感を伴って締め切りのある緊急性の高い仕事がない状態」が作れたということを今朝実感しました。

春先は年度内の事業の準備をする時間にしようとは思っていましたが、やっと落ち着いて日常生活を見直していけそうな気持ちの余裕ができました。

ということで、今朝は朝からいつもお世話になっている針灸の先生のところに行ってメンテしてきます。

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この記事を書いた人

橋本 大佑(はしもと だいすけ)
筑波大学で障害児教育を学んだ後、渡独して現地日系企業(THK株式会社)に勤めながら障害者スポーツを学ぶ。2009年に帰国し、障害者の社会参加を促進するためのスポーツを活用した事業を実施。2016年より現職。国内外で共生社会や障害者スポーツ指導者養成に関わる講習を行う。また共生社会の実現に向けて企業を対象としたセミナーやコンサルタントも行う。
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