一般社団法人 コ・イノベーション研究所

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by QUIs(くいず)

23年10月28-29日 神戸国際大学車いす操作スキル講習会 

こんにちは。インターン生の佐久間と永島です!

 10月28日〜29日の二日間にかけて、サントリーホールディングス株式会社様との共同事業である車いす操作スキル講習会を神戸国際大学にて開催いたしました。理学療法士を志す学生と地域の障害者スポーツに関わろうとしてくれている方が参加しました。

 

講習会1日目

はじめに皆さんの参加動機をお伺いしました。今回の参加者の皆さんは車いすに触れたことがある方が多かったですが、車いすの操作のスキルを学ぶのは初めてという方がほとんどでした。

講習会1日目は、基礎的な車いすの構造と操作スキルを学習していきました。

まず初めに、車いすは座椅子の幅が異なるので自分に適したものを選ぶ所からスタートです。車いすの座幅は座った状態で片手の指が差し込めるぐらいが適していますが、実際には自分の体のサイズに合っていないものを使用している車いすユーザーもいます。

次に、車いすの背もたれを自分の背骨の曲線に合わせていきます。背もたれの裏には複数のマジックテープがついており、車いすの購入時には全てのテープが一番きつく閉められているので、使用前には自分に合うように調節する必要があります。

座椅子の背もたれを調節している様子

次に、車いすの車軸の位置は調節ができその位置によって安全性や操作性が変わることなど、車いすの基本的な構造について学んでいきます。

車いすの構造について学んでいる様子

そして実際に車いすを操作していきます。まずは基本の直進、ブレーキ、ターンの練習からです。ハンドリムの握り方、車いすを操作する際の姿勢など、基礎的なところから実践練習を通して習得していきます。慣れてきたら習得したスキルを組み合わせた操作も行っていきます。

車いす操作スキルの練習風景

車いす操作に慣れてきたところで、キャスター上げというスキルを身に着けていきます。

キャスター上げは段差を越える際には欠かせないとても重要なスキルです。キャスター上げができるようになれば段差、踏切、横断歩道、電車の乗り降りなどを介助なしで行えるようになり、車いすユーザーの行動範囲が広がります。まずは安全性を考慮してマットの上でキャスターを上げる練習を行います。マットの上でできるようになればマットなしで行い、次にキャスター上げのスキルを活用した段差昇降スキルを習得していきます。段差昇降もはじめはマット1枚の段差から練習をはじめ、徐々に枚数を増やしていきます。今回の講習会では当日にマット三枚分、およそ15センチの段差昇降に成功する人が続出しました。

 

段差昇降の練習

キャスター上げの講習

講習の最後には、実際に車いすに乗ったまま体育館の外に出ました。芝生の上での操作法を体験したり、日常生活でよく見かけるグレーチングは細い前輪が挟まってしまう可能性があり車いすユーザーにとって1つのバリアとなるなど、より実生活に近い形での車いす操作について学びました。

芝生の上で車いす操作を行う様子

また車いす講習1日目の最後に振り返りとして1人ずつ感想を共有しました。その際に、学生さんからの感想の中には、本会場は二階にあったため外に出るためにエレベーターを利用したのですが、実際に車いすにのったままエレベーターを使用することで、低い位置に設置された押しボタンについて授業で学んでいたため知ってはいたが、その利便性をとても実感したという感想がありました。普段の授業よりも実践的な車いす操作スキルの基礎についてついて習得する講習会1日目となりました。

 

▮講習会2日目

2日目のはじめには、前日の筋肉痛をほぐすためのストレッチを行いました。ストレッチも車いすを利用した方法で行うことによってより参加者の皆さんの車いすに対する意識が変化したように感じました。また、実際の車いすユーザーの方であっても参考となるような方法のストレッチを行うことによってより参加者の将来に生かすことができるような情報を取り入れることができたように感じました。

車いすを利用してストレッチを行っている様子

座学にて教材を利用し、車いすの構造、調節の仕方に関して実践も交えながら学びました。車いすの構造に関しては車いすのタイヤ、ハンドリム、背もたれ、フットレストなど各パーツに関して学びました。車いすを制作されている会社ごとの違いなども実際の車いすに触りながら実技も交えて学びました。皆さんすごく真剣に聞いている姿が印象的でした。

車いすの構造に関して学んでいる様子

他にはゲームを利用して車いすの操作スキルを高めました。実際に行ったゲーム内容としては車いす版いす取りゲーム、体力づくりを目的としたゲーム、鬼ごっこを行いました。それぞれに車いすで外に出た時に必要となる能力を得ることができるようになっています。車いす版いす取りゲームでは周りをみる力、小回りが効くようにする力などが得られるようになっています。皆さん車いす操作を楽しんでいる姿が印象的でした。

ゲームを行っている様子

午後からは、車椅子に乗ったことがない人に対しての車いすの指導方法を2人1組になって実践しました。まず、指導するときの立ち位置はどこが適切なのかということを考えました。その後、実際に1日目に学んだことを相手に教え合いました。

お互いに教え合っている様子

最後に1日目に行ったキャスター上げを発展させたスキルを習得しました。

キャスター上げの安定度を高めるために、キャスター上げを行ったまま後ろから段差を上がる練習や助走をつけずに5センチほどの段差を上がる方法などを学んでいました。初めは少し恐怖心があった参加者の方もいらっしゃいましたが練習を通してスキルを習得していくうちに恐怖心はなくなり参加者の皆さんのスキルが向上していきました。

 

キャスターあげ応用編練習中写真

最後に2日間を通しての振り返りを行いました。1日目は理学療法士になるのが夢です。とおっしゃっていた参加者の方が最後には立派な理学療法士になりますと言ってくださりました。他の参加者の方はゲームが面白かったこと、授業では実際に自分が車いすに乗ることは少ないため貴重な経験ができた等の意見がありました。皆さん楽しんで車いす操作方法を学べたようでした。

全ての行程に参加できなかった方もいらっしゃいましたが、全部で17名の方にご参加いただきました。

初日よりも参加者同士での交流も増え車いすの操作以外のことも学ぶことができたように感じました。

認定証を受け取った集合写真

この記事を書いた人

QUIs(くいず)
COILインターンシップ
コ・イノベーション研究所(COIL)インターンシップ生によるチーム。社会課題の解決、共生社会の実現に向けて事業立案、企画運営、コンテンツ制作など取り組んでいます。
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