一般社団法人 コ・イノベーション研究所

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by 橋本 大佑(はしもと だいすけ)

東京大会のレガシー1/100 両国駅周辺のバリアフリー化

東京2020レガシー(1/100) 両国駅周辺のバリアフリー改修

※このブログは2022年6月10日のFacebookの投稿に加筆修正したものです。

昨日、東京2020大会のレガシーはわかりにくいところにあるので、取り上げて紹介しますという話をしました。

なぜ、駅前のバリアフリー改修がオリパラのレガシーなのか

こういうものを拾っていきますという1本目の事例は、両国駅前のバリアフリー改修です。

まずは2枚の写真を見てみてください。

都営両国駅前の様子

都営両国駅は、元々エレベーターが1基でしたがオリパラを契機に2基に増設されました。また、手前の横断歩道には視覚障害者を誘導するエスコートゾーンが設置されました。

都営両国駅とJR両国駅の間の高架横の写真

高架横の写真は、改修以前のものがないので、比較はできないのですが、段差のある狭い歩道がフラットな歩道に改修され、非常に歩きやすい道になりました。

墨田区交通バリアフリー道路特定事業計画

なぜ、これがレガシーかというと、下記の資料を見てください。これは、墨田区交通バリアフリー道路特定事業計画の概要版です。

この資料は下記のリンクからもダウンロードすることができます。
city.sumida.lg.jp/kuseijoho/sumida_kihon/ku_kakusyukeikaku/bariakeikaku.files/gaiyou.pdf
city.sumida.lg.jp/kuseijoho/sumida_kihon/ku_kakusyukeikaku/bariakeikaku.files/gaiyou.pdf

資料最初の目的部分には下記のような記載があります。

以下引用文
『平成24年の東京スカイツリー®開業や2020年(平成32年)の東京オリンピック・パラリンピックの開催、両国観光まちづくりグランドデザインの具現化のほか、様々な観光施策の展開など、今後一層の来街者の増加や人の動きの活発化も見込まれることから、誰もが安全で安心して移動できるやさしいまちづくりの実現に向けて、計画的に道路のバリアフリー整備を推進する。』

明確にオリパラのことが書かれ、重点的に取り組む区域としてスカイツリー周辺及び両国駅周辺の地図が記載されています。

なぜ、オリパラに向けて両国が対象地域となったかというと理由が2つあります。1つは、オリンピックのボクシング会場に両国国技館が選ばれたことです。そして、もう一つは都営両国駅のそばにある北斎美術館がパラリンピックに合わせて行われる文化事業の会場であったためです(残念ながらコロナ感染拡大の影響により文化事業は行われませんでした)。

そのため、オリンピックの会場となる両国国技館への移動経路をバリアフリー化するとともに、北斎美術館への移動経路もバリアフリー化されました。

さらに近郊の公園にも区内の他の公園よりも優先して多目的トイレが設置されました。

レガシーであることは気づきにくいので今後も発信していきます

両国に住んでいる、または両国に通勤している車いすユーザーにとっては、単に近隣のバリアフリー化が進んだというイメージで、きっとそれがオリパラ起因とはなかなか考えにくいかと思います。
これがオリパラのレガシーはわかりにくいと僕が言及する理由です。今後も100本目指して不定期に紹介していきますのでよろしくお願いします。

この記事を書いた人

橋本 大佑(はしもと だいすけ)
筑波大学で障害児教育を学んだ後、渡独して現地日系企業(THK株式会社)に勤めながら障害者スポーツを学ぶ。2009年に帰国し、障害者の社会参加を促進するためのスポーツを活用した事業を実施。2016年より現職。国内外で共生社会や障害者スポーツ指導者養成に関わる講習を行う。また共生社会の実現に向けて企業を対象としたセミナーやコンサルタントも行う。
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