一般社団法人 コ・イノベーション研究所

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by 橋本 大佑(はしもと だいすけ)

発達障害の診断を受けての宣言⑦

発達障害の診断を受けての宣言⑦

※このブログは2022年6月21日のFacebookの投稿に加筆修正したものです

「配慮していただくのはうれしいですが、必要な時は自分で言いますね」

一週間かけていろんな宣言をしてきましたが、これで最後です。

今回診断を受けたADHDは先天性の障害です。そのため、今回公表をしましたが、公表したから「○○ができない」というわけではありません。診断を受けてから、ある程度公表まで時間を掛けたのは、少なくとも社内のサポート体制を構築することで、今までと変わらない状況を作れたからです。

実際に週に1回訪問看護サービスを受けて、1週間の過ごし方を一緒に考えてもらう機会を作ったり、会社でもタスク管理を定期的にしてもらう体制を作ったり、そもそも苦手な仕事はアウトソーシングも含め、負担の掛からない体制を作ったりするなどの取り組みをしてきました。

松下幸之助さんは「人生の90%は運」と言いました。本当に「人生は運であり、縁だな」と思うのは、今、自分の、そして会社の持っている知見やノウハウが社会的な価値に加えてある程度経済的な価値も提供できているので、こういったサポート体制を作ることができていて、そもそも原資がなければアウトソーシングもできませんし、会社にスタッフがいなければサポートもしてもらえません。
先日、京都大学で博士課程を取り、そのまま大学に研究員で就職した人が、自閉症の診断を受けて、今は就労支援事業所でおむつを作っているというTogetterの記事を紹介しましたが、5年前に同様の状況になったとしたら、今のようなサポート体制は作れなかったと思います。今、活動や事業を継続することができるのは本当に運であり、縁だなと感じます。

話が逸れましたが、僕は基本、障害のある方と接するときに、「何か手伝います?」とか言わないようにしています。障害者である前に人と人として向き合いたいので、相手が大人であれば、それを尊重して「困った時には困ったと言えるでしょ」と考えているからです。もちろんその時に話しかけてもらえる雰囲気づくりとして「何かあったら言ってね」くらいは言ったりしますし、困ったと言えないような状況にある人については話は別です。

「何かお困りのことありませんか」と相手の障害だけを見ていうのは尊厳の問題です。ですので、僕も「特に仕事においては」最低限のところは社内でサポートしてもらい、どうしようもない状況が万が一生じたときにはしっかりとご相談させていただきます。実際に不安障害やADHDに対する処方薬が安定するまでは午前中の体調が不安定なときもありましたので、そういう場合はそういう状況を伝えて講習の仕事を午後からにしてもらったり、疲労によって集中力低下があるので、1日講習の時はちゃんとその後に宿泊の予算を付けてもらったりするなど必要があるときには、無理のない範囲でお願いをすることにはしています。

プライベートの場合は、はっきりと無理な時はちゃんと言います。

一つだけできないことをお伝えしますと「適当に」というシチュエーションは、まったくもって苦手です。例えば、一緒に食事や飲み会に行くときなど、「適当に頼んでおいて」と言われると固まります。そんなときは、「適当には、ダメなんです」とお伝えします。

確かに配慮していただくのはうれしいですが、必要は時は自分で言いますので、よろしくお願いします。

この記事を書いた人

橋本 大佑(はしもと だいすけ)
筑波大学で障害児教育を学んだ後、渡独して現地日系企業(THK株式会社)に勤めながら障害者スポーツを学ぶ。2009年に帰国し、障害者の社会参加を促進するためのスポーツを活用した事業を実施。2016年より現職。国内外で共生社会や障害者スポーツ指導者養成に関わる講習を行う。また共生社会の実現に向けて企業を対象としたセミナーやコンサルタントも行う。
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