国土交通省が交通事業者向け接遇研修モデルプログラムの改訂版を公開しました
国土交通省が交通事業者向け接遇研修モデルプログラムの改訂版を公開しました
※このブログは2022年6月21日のFacebookの投稿に加筆修正したものです
国土交通省が公開している交通事業者向け接遇研修モデルプログラムが更新されました。鉄道やバスなど事業種別ごとの研修のモデルプログラムについて指針が関われています。
詳しくは下記リンクをご覧ください
国土交通省ホームページへのリンク
https://www.mlit.go.jp/…/sosei_barrierfree_tk_000317.html
今回の改訂版で強調された要素
今回強調された要素が障害当事者の参画です。添付は鉄道事業者向けの研修プログラムの一部で、研修に参加する障害当事者の条件に付いて記載があります。こういったことが明確に表に出されるのは非常によいことだと思います。障害者だからファシリテーターやアシスタントになれるわけではなく、どういう障害者がこういった研修で障害当事者として参画できるのかということが重要です。
本当に勉強していない人が多いので。
障害当事者ファシリテーターに必要なこととは
僕はよく障害問題として判断が難しいことはジェンダーに置き換えるとわかりやすいですよ、という話をします。例えば障害者権利条約の基本理念は「私たちのことを私たち抜きで決めないで」です。ジェンダーに置き換えると、例えば自治体における女性活躍推進会議のメンバーに男性しかいないとおかしいですよね、という感じで、視点が変わることで問題が可視化されます。
僕は42年、男性として生きてきましたが、明日、女性の前で男性について1時間話してくださいと言われても、話はできません。それは僕がそこについて勉強をしていないために必要な知識を持っていないからです。これは障害者として長く生きてきた方でも同じです。添付した画像では、講師になる場合には「自分以外の障害にも精通し」という文言が記載されています。
使いにくいバリアフリーの建物が増えた
最近、よく聞くのが「使いにくいバリアフリーの建物が増えた」という話です。車いすユーザーが、自身の経験だけを元に、アドバイザーのようなポジションをこなすと、何の段差もないフラットな施設ができます。しかし、そこには視覚障害者のランドマークがなかったり、高齢者のための手すりがなかったりすることが本当に事実として起こっています。歩道の片流れ傾斜をなくした地域に行くと、その歩道は雨の水がいつまでも溜まっていたりします。
改訂版を見て思うことた
この資料に追加して言及するのであれば、持っている知識は全ての障害でなくてもいいと思うのです。国立競技場のバリアフリー化では20を超える当事者団体が参加しました。それは各団体ごとに持っているノウハウが特定の障害種別に偏るためです。1人で全てを賄おうとするとどうしても広くなる分浅くなるので、交通事業者などの規模の団体であれば障害種別ごとに障害当事者を探したり、育てたりしてほしいなと思います。後は、困りごとだけではなくて有効な解決法をしっていることや失敗事例についても知っていることが重要かなと思います。
でも、改定されたモデルプログラムの中に障害当事者の参画が言及されたのはとても大きな前進だなと思います。