発達障害の診断を受けての宣言⑤
発達障害の診断を受けての宣言⑤
※このブログは2022年6月19日のFacebookの投稿に加筆修正したものです
「すいませんが、発達障害を背負うことはしません」
1週間を掛けていろんな宣言をしてきましたが、これを含めて後3つです。最後までお付き合いください。何度も言いますが、この投稿を持って誰かを責める意図は全くなく、僕の考え方を発信しているだけですのでご了承ください。
「経営者には発達障害が多い」と言われること
発達障害の診断を受けてから、Facebookで公表するまでに一部の方には先にそのことをお伝えしていました。そういった中でたまに「経営者に多いんだよね」というような言葉を言ってくれる方がいました。僕は面倒くさい人間なので、その都度、説明をしてています。どんな説明かと言うと下記のようなものです。
『ジェンダーを専門とする先生と議論をしたときに、エンタメ業界にLGBTの方が多いという話題になったことがあります。そのときに、その先生が言ったのは、こういう話でした。
「エンタメ業界には性的マイノリティの方が多いので、よく性的マイノリティの方に音楽やアートなどのエンタメの素養があると勘違いする人が多いのだけれど、実際はエンタメ以外の業界が性的マイノリティに不寛容であるから、受け入れの土壌として機能するエンタメ業界に多くの方が入ってくるだけで、今、テレビなどで見る人たちはほんの一握りの成功者で、業界に入ってきたけど、成功できない人の方が圧倒的に多い」
僕はドイツにいたときにも日系企業で約4年働いてはいましたが、日本的な会社社会の中では上手くやっていけないだろうなというイメージは学生の頃から持っていました。それは今振り返ってみると、ADHDに起因するところが大きかったと理解できますが、恐らく同様に感じている人は会社組織の中でなかなか居場所が見つけられず、起業を選択する人も少なくないのではと思います。ただ、起業した人が全て成功するかというとそんなことは全くありません。経営者で発達障害を公開している人は実際に多数いますが、その人たちの背景には、圧倒的多数の上手くいかなかった人がいるはずです。
ADHDであることを告げたときに「経営者には多いよね」という言葉は思いやりから来ているとは思います。その言葉の裏には「ADHDであることを悲観しなくていいよ」という気持ちが見えます。ただその言葉を聞くと、自分が成功しているとは思いませんが、表に見えているものの背景にある上手くいかなかった多数派の人たちが既存の社会システムの中で居場所を見つけにくいという状況が無視されているように感じるわけです。」
「僕が頑張ることがADHDの人を勇気づける」と言われることへの疑問
さて、人によってはこの先の言葉として、「橋本さんがADHDを公表して経営者として頑張っている姿は、きっと発達障害の人に夢や勇気を与えますよね」というところまで踏み込まれる方もいます。残念ながら僕は診断を受けて手帳を取得しても、別に今までやってきたことは変えていないですし、先ほど書いたように自分の生き方を同じ状況の方にはおススメはしないですし、何よりその言葉を信じることで障害に意味づけをしようとは全く考えていません。そんな大層な偉い人間でもないですしね。
情報発信はするので、それが誰かのヒントになればそれはうれしいですが、積極的に「発達障害のために」ということはないと思います。