来月からアメリカでワールドゲームスが始まります
来月からアメリカでワールドゲームスが始まります
※このブログは2022年6月8日のFacebookの投稿に加筆修正したものです。
ワールドゲームスはオリンピック種目ではない競技の国際大会で国際ワールドゲームス協会が主催、IOCが協力という形でオリパラの翌年に開催されます。
今年の大会では、30の競技に加え、6つの公開競技が行われるのですが、そのうちの一つが車いすラグビーです。
ワールドゲームス ローポイント車いすラグビーのページへのリンク
https://www.theworldgames.org/news/The-World-Games-2022-32/Wheelchair-Rugby-teams-announced-for-The-World-Games-2022-2144?fbclid=IwAR1P2BFKQSTxtJfQaVk-JRa3HGStKbKAVU9FJqdHm–x4xoYAVEdRf2D7y8
ただ一般的な競技規則で行うものではなく、ローポイント車いすラグビーが行われます。車いすラグビーは四肢に障害のある方が参加対象となりますが、各選手の障害の程度に応じて0.5点から3.5点までポイントが割り当てられます。障害の程度が重いほど、ポイントは低くなります。そしてチーム4人の合計を8点以下にする必要があります。このとき、2点以上の選手をハイポインター、1.5点以下の選手をローポインターと言います。
ローポイント車いすラグビーでは、4人の合計を3.5点とし、1.5点以下の選手でチームを組むことがルールとなっていますが、リンク先のページでは参加できる選手のポイント上限が3.5点になっていますね。(そもそも3.5点の選手が1名参加すると、上限になってしまうので4人チームが組めないという考え方もあるのですが、車いすラグビーは女性プレイヤーが入ると0.5点のアドバンテージがあったりするので、ここのHPの記載だけではどういった運用になるかが判断が難しいですね)
詳細はわかりませんが、今回の大会には6か国から参加があるようです。
ドイツでよく聞いた話ですが、車いすラグビーに多い頚髄損傷者がハイポインターとローポインターに該当するかという統計を取るとハイポインター1に対してローポインターは3になるということです。つまり潜在的な競技人口を考えるとローポインターに該当する人が3倍多いということですね。
しかし、多くの場合車いすラグビーではハイポインターが3人、ローポインターが1人でチームが構成されます。そのため、ローポインターに該当する障害がある人は、ハイポインターに比べて人数が3倍多いのに、参加できる場所が3分の1しかないので、トータルで9倍参加が難しいということになります。
そこでドイツでは4人の合計を7点とすることで、ハイポインター2人、ローポインター2人でチーム構成をすることを促す独自のルールで国内の2部以下のリーグを運営しています(1部リーグは国際ルールに則って運営されています)。
ですので、このワールドゲームスでローポインター車いすラグビーが開催されるというのは、参加倍率が高いローポインターの参加機会の確保という意味でとても意味のあることだと思います。