【第三期スポーツ基本計画 その⑧】
いつもコ・イノベーション研究所のブログをご覧いただきありがとうございます。
ついに最終日です。
ポイントはたくさんあるのですが、これでブログでの投稿は最後にしようかと思います。
ちょっとこれを書くのは悩んだのですが、今、感じていることとして共有します。
添付した画像は、スポーツ庁が2年に1回(令和元年からは毎年)実施している障害者のスポーツ実施率に関する調査の結果です。令和3年度は速報値のみ発表されており、詳細なレポートはまだ公表されていませんが、スポーツ実施率がこの1年間で大幅に向上しており、さらに過去1年間スポーツを実施していなかった人の割合も約50%から10ポイント以上減少しています。
障害のない人のスポーツ実施率はこの1年間で3ポイント減少しており、コロナ等の影響が強く出ていると思うのですが、障害者のスポーツ実施率については大幅に増加しており、傾向が一致しません。
令和元年度から、スポーツ実施率調査の受託事業者が笹川スポーツ財団からリベルタス・コンサルティングに変わったのですが、その際、何を持ってスポーツ活動とカウントするか、という定義が変わっています。
元々散歩やぶらぶら歩きもスポーツ・レクリエーションとカウントする調査ではありましたが、令和元年度からは「階段昇降」「身体活動を伴うリハビリ」「身体活動を伴うゲーム(恐らくWiiのようなゲーム)」をした場合もスポーツ・レクリエーションをしたとカウントするということになっており、これまでの数値と単純比較ができない状態になっています。
今年、大幅に障害者のスポーツ実施率が増加した背景には、恐らく「何を持ってスポーツ活動をしたとカウントするか」というところに大きな変化があったことが想定されます。よくわかりませんが、「通勤・通学に関わる移動」とか「入浴」とか、それくらいの変化がないと今年の数字の変化は評価できないと思うくらい大きな変化が起きています。
実際にいろんな県の障害者スポーツ関係の方に話を聞くと、月に1回以上スポーツをしている人って肌感覚でどれくらいですか、というように聞くと1割から多くても15%くらいじゃないですかね、というような返答を多く聞きます。
個人的なこの業界に関わっているモチベーションとしては、スポーツをしたいと思ったときに掛かる金銭的・時間的・身体的コストを障害のない人がスポーツを始めるときに必要なコストにできるだけ近づけていくにはどうすればよいかというところをいつも考えていますので、特に地方における実態がそれほど大きく変わっていないであろう中、国が発表する数字が大きく変わってしまったことを非常に苦しく感じています。
このスポーツ基本計画を元に各都道府県のスポーツ推進計画が作られることになるとは思いますが、実態に即した状況の評価から実現可能性の高い政策が盛り込まれることを心から祈ります。
これからもコ・イノベーション研究所をよろしくお願いいたします。