一般社団法人 コ・イノベーション研究所

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「障害」と表記するか?それとも「障がい」と表記するか?

「障害」と「障がい」

「障害」という言葉はどう表記するのが正しいのでしょうか?最近では、平仮名を用いる「障がい」という表記をよく目にするようになりました。これは、「害」という言葉には、害悪というような用例に代表されるようにネガティブな意味合いがあることが原因です。

そして、「障害」という言葉の持つネガティブな印象を緩和して障害当事者が不快に感じないように配慮して「害」ではなく「がい」という表記が多用されるようになりました。最近、障害者スポーツのアスリートを「チャレンジド・アスリート」と呼ぶことが増えていますが、これも「障害」というネガティブに捉えられてしまう表現を言い換えようとしてアメリカで生まれた「チャレンジド」という言葉が元になっています。

従来、戦後に「障害者」という言葉が生まれる以前、「障害」は「障碍」と表記されていました。ただし、「碍」は常用漢字ではなく、「障碍」では認知度向上が難しいなどの理由で、現在の「害」という字が使われるようになりました。

しかし、時代を経るごとに「害」という漢字を使うことに対する疑問が叫ばれるようになりました。そして平成22年(2010年)に内閣府に『「障害」の表記に関する作業チーム』が設立され、「障害」の表記に関して検討が行われました。その検討結果は内閣府から公表されています。

(参考資料)障害の表記に関する検討結果について

http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/kaikaku/s_kaigi/k_26/pdf/s2.pdf

その中では『様々な主体がそれぞれの考えに基づき、「障害」について様々な表記を用いており、法令等における「障害」の表記 について、現時点において新たに特定のものに決定することは困難であると言わざるを得ない。』と結論付けられています。つまり「正しい表記はない」ということです。

障害の社会モデル「disability(参加制約)」と医学モデル「impairment(機能障害)」

英語では日本語の「障害」という言葉に該当する単語が2つあります。1つは障害の社会モデルに基づいた「disability(参加制約)」。もう1つは障害の医学モデルに基づいた「impairment(機能障害)」です。

当研究所では、障害を考える際に、社会に「害」はあっても人に「害」はないという考え方から、社会の制約を表すdisabilityを表す場合には「障害」を、個人の機能を表すimpairmentの意味では「障がい」を使用するという方針のもとに表記を使用しています。

この記事を書いた人

橋本 大佑(はしもと だいすけ)
代表理事
筑波大学で障害児教育を学んだ後、渡独して現地日系企業(THK株式会社)に勤めながら障害者スポーツを学ぶ。2009年に帰国し、障害者の社会参加を促進するためのスポーツを活用した事業を実施。2016年より現職。国内外で共生社会や障害者スポーツ指導者養成に関わる講習を行う。また共生社会の実現に向けて企業を対象としたセミナーやコンサルタントも行う。
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