障害者手帳レンタルの是非
障害者手帳所持者が「自分をレンタルする」とTwitterに書いて炎上したのは、過去にここで紹介したと思います。炎上した結果、書き込みをした人は投稿を削除して黙ってしまったので、その後、このサービスが本当に行われたかどうかはわかりません。
ただ、確かに障害者手帳を所持していると無料になったり、割引になるサービスがあるので、障害者手帳所持者であることを売りにすることは倫理上の問題を除けば可能であると思います。
先日、高速道路の障害者の割引料金について制度が緩和されることを紹介しましたが、運送業なんかだと形だけ障害者を助手席に乗せて経費削減もできるのでは(正規雇用でなく日雇いとか、形式上労働訓練をしたことにして実態は助手席に座っているだけの就労支援とか)と思ってしまいます。
制度が手厚くなると、それを悪用する人も増えてしまい、そういった一部の人がメディアで取り上げられることで制度の拡充が阻害されているというのは福祉ではよくある話と思います。
リンク先の記事では乙武さんのコメントが紹介されています。乙武さんは、この障害者手帳レンタル制度を「アリ」とした上で下記のような意見を述べています。
「障害者と健常者が別々の環境で学ぶ分離教育をしておいて、『社会に出たら仲良くやってね』では無理がある。障害者が友人などの出会いを求めていこうとしても、『お前らは迷惑をかけないで生きるべき』などとネットで書かれる中で、その見解自体に待ったをかけたい。健常者側は障害者との出会いをさほど求めていないので、ギャップを埋めるために『自分と一緒にいるとお得ですよ』と働きかけるのはアリではないか」
この意見に対する僕の嫌悪感は特に詳しく書かないですが、僕は乙武さんの意見に共感したこと一回もないんです。どちらかと言うといつも大きな寒気というか嫌悪感を感じます。
500万部売れた「五体不満足」の最初のエピソードは、乙武さんが生まれた時に、その姿を見た父親が、乙武さんを母親に見せるか迷っていたら、母親は乙武さんを見て「かわいい」と言ったというエピソードです。読者の多くが感動したであろうこのエピソードがウソであったことは、乙武さんのYouTubeチャンネル開設1本目の動画で本人が話しています。
自己のエッセー本を書く時に最初のエピソードがウソであったとしたら、その後のエピソードの何を信じればいいのか分からなくなりますし、その事を笑い事のように公開することも理解の範疇を超えます。
個人としての意見であれば好きなことを言うのは権利ですが、ともすれば障害者を代表とした意見として受け取られてしまう可能性があるので、いつまで世間はこの人を持ち上げるのかと思います。
話が脱線しましたが、僕は障害者手帳所持者レンタルは反対です。