一般社団法人 コ・イノベーション研究所

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by 橋本 大佑(はしもと だいすけ)

車いすスクールレポート5

昨日22秒できたと紹介した方の別動画です。

Facebookのお友達の中には、前輪を上げてバランスを取るキャスター上げのスキルの意味をご存じない方もいると思うので解説します。

1.悪路対応

街中には段差、溝、芝生、砂利などさまざまなバリアがあります。そういったバリアでは前輪が引っ掛かってしまうので、前輪を上げた状態で走行する必要があります。キャスター上げは遊びではなく、恐怖感と戦って習得する必須スキルです。

2.下り坂対応

急な下り坂での安全な操作にもキャスター上げは必須です。これについては別の機会に紹介します。

3.よりアクティブな車いすを選べる

キャスター上げができると、後方転倒するリスクを低くできます。後方転倒しにくい安全性の高い車いすは操作性が落ちてしまいます。逆にキャスター上げができることでより操作性のよい車いすを選定することができます。

本当はキャスター上げのメリットはもっとあるのですが今回はここまでにします。

手動車いすユーザーには必須スキルなのですが、車いすに10年以上乗っていてもできない人が多いので、人によっては憧れのスキルです。ただし、車いすでの後方転倒経験がある方の場合はトラウマになっているスキルでもあります。

このキャスター上げの指導は受講者の不安と向き合い、その不安を緩和しながら、その人の身体状況や運動経験に応じた体の動かし方を一緒に探していく作業です。そのため、体の動かし方の指導はほとんどしません。

受講者の体の動かし方や車いすの挙動を観察して、できない要因を見極めて修正していきます。

添付した動画では1回目は上手くキャスター上げができませんでした。そこで、こぎ始めるときのグリップの位置だけ修正の指導を行いました。それで2回目はバランスが取れました。

人によって正解が違うので結構奥深い指導です。

この記事を書いた人

橋本 大佑(はしもと だいすけ)
筑波大学で障害児教育を学んだ後、渡独して現地日系企業(THK株式会社)に勤めながら障害者スポーツを学ぶ。2009年に帰国し、障害者の社会参加を促進するためのスポーツを活用した事業を実施。2016年より現職。国内外で共生社会や障害者スポーツ指導者養成に関わる講習を行う。また共生社会の実現に向けて企業を対象としたセミナーやコンサルタントも行う。
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