大阪湾のマッコウクジラさんは残念でした。
クジラは死期が近づくと溺死を避けるために浅瀬に行くという説もあるんですよね。
そもそも弱っていたから浅瀬に流されてきたわけで、実際に座礁して死んでしまったクジラを調査すると体内からは病原菌が見つかったりすることも多いそうです。
日本では年間300頭のクジラが座礁します。そして、ここから先は自治体の管轄になります。
今後は沖合に沈めるということで、自然の大きなサイクルが回ります。
クジラの死骸が海底に沈むと、そこには鯨骨生物群集が形成されます。最初は大型の深海ザメやヌタウナギ、そして甲殻類が数年かけて骨だけになるまで集まります。その次は甲殻類や軟体生物。最後にはバクテリアが集まり、骨の中にある資質を分解して一般的な生物には毒となる硫化水素を作り出します。
しかし、深海には熱水噴出孔のように硫化水素を基礎とする生態系が存在するので、結果として数十年硫化水素を好む生物群がクジラの骨の周りで生態系を作り続けていきます。
死骸を沖合に返すというのはとても意味のあることと思います。
沈める場所によりますが、観測できる深さであれば、研究の対象となっていくかもしれませんね。
外部リンク
死んだクジラが深海に沈み、新たな生態系が誕生する興味深い話「数年単位で生物が集まり続けて、新種も現れるらしい」 – Togetter