『太陽の家』車いす操作スキル研修会 2023年12月27‐28日
こんにちは。インターン生の永島です。
2023年12月27日と28日に社会福祉法人太陽の家にて車いす操作スキル研修会を実施いたしました。「太陽の家」は、日本のパラリンピックの父といわれる中村裕医師(医学博士)により創設され、障がいのある人の仕事や生活をサポートする歴史的に名誉ある社会福祉法人です。
大分大学・大分リハビリテーション専門学校・藤華医療技術専門学校の学生や先生、パラスポーツ選手、太陽の家の職員など計15名、多様なバックグラウンドを持った方に参加していただきました。その参加者の中には、車いすユーザーの方が3名いらっしゃいました。
本事業はサントリー チャレンジド・スポーツプロジェクト大学連携事業として実施されました。サントリーさんから2日分の飲料水をご提供いただきました。ありがとうございました!
【1日目】
始めに、ブレークアウトとして簡単なお互いの名前を覚えるゲームを行いました。お互いに名前を呼び合うゲーム構成の効果もあり、皆さんの緊張もほぐれ、積極的にコミュニケーションを取り合うきっかけとなり、和やかな雰囲気で研修が始まりました。
午前中は、基本的な操作スキルである直進・ブレーキ・ターンを習得しました。午後からはレベルアップしてキャスタ上げの練習です。キャスタ(車いすの前輪)を上げた状態でバランスとるのは至難の技ですが、車いすユーザーにとっては生活範囲を広げることができる欠かせないスキルです。本研修では、皆さん5センチの段差昇降に成功し、中には10センチの段差昇降に挑んでいる方もいらっしゃいました。最後に研修1日目の成果を全体で発表しあいました!
【2日目】
前日の実習経験を踏まえ、車いすの構造や指導法についての理解を深めました。研修で使用している車いすには様々なタイプがあり乗り比べることができます。今回は参加者の中に車いすユーザーの方もいらっしゃいましたので、その方が愛用している車いすも、試しに操作させていただきました。体にかかる負担を軽減させ、操作しやすいように様々なカスタマイズが施されており、車いすの違いについてより深く学ぶことができました。
操作スキルが高まってきた所で、午後からは実際に外に出て公道を走行しました。平らな屋内で行う操作とは全く異なり、段差、傾斜、凹凸などが障害となり得る事を当事者の視点で知ることができ、特に学生の参加者にとってこの経験が印象深かったとの感想が多かったです。
次に、みんなでゲームを行いました。役割を割り当てたり、チーム分けしたりと、みんながゲームに参加できる工夫がなされており、参加者の笑顔と掛け声が絶えず、本研修で一番盛り上がっていたように思います。
【最後に】
2日間の研修の最後に全体で感想を共有しました。以下、参加者の感想を一部抜粋したものになります。
「操作スキル習得までのステップの踏み方が参考になった。」(教師)
「キャスタ上げを自分ができるようになるとは思わず、自分の成長を感じることができて嬉しかった。」(学生)
「車いす操作の指導を自分が将来行う際に本研修で学んだことを活かした。」(学生)
「初めて公道を車いすで走行し、具体的な障壁が何であるかわかった。」(学生)
「車いすについて知ってもらえて嬉うれしい。」(車いすユーザー)
「日常生活において平らな道はめったにないので、研修で学んだスキルは非常に重要であると実感した。」(車いすユーザー)
「車いすのメカニカルな部分について学ぶ機会は少ないと実感した。」(太陽の家の職員)
皆さんそれぞれに実体験を通して得た学びが多かったように思います。今回は、三大学合同であったこともあり、同じく理学療法士・作業療法士を志す学生同士の新たなコミュニティ作りのきっかけともなり、また、車いすユーザーの方も数名参加してくださっていたので、リアルなお話もうかがえる非常に有意義な2日間の研修となりました。