一般社団法人 コ・イノベーション研究所

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by 橋本 大佑(はしもと だいすけ)

「全日本選手権に障害者の推薦枠を設置することの不可解さ」というコラムに対して

僕はあまり否定的なことは書きたくないのです。が、しかしこのコラムについては黙ってることはできないです。

先日、卓球の全日本選手権に障害者の卓球団体からの推薦枠を設けることになったというニュースを僕は好意的に紹介しました。

そのニュースに対して否定的なコラムが発表されました。

読み返すのも不快なのでさっと読んだという前提で簡潔にまとめると、「障害者の卓球団体の推薦者は全日本選手権に参加するレベルに達していない。各都道府県の予選会は障害者を排除していないんだから実力があるならそこから参加すべきだ。他の推薦枠は実力のある選手のみが参加しており、障害者団体の推薦枠は実力の不足している選手への特別枠だ」ということです(かなり粗くまとめています)。

この論旨については率直に議論に値しないと僕は考えます。

全日本選手権や全国大会とは、ボッチャなどを見るとわかりやすいですが競技団体にとってその競技をどのように発展させていくかというメッセージを発信する最大の機会と僕は考えています。(このオリパラの期間に日本選手権の運営の主体を失った団体があることも承知していますが)

卓球については、障害者団体への推薦枠を作ることで、卓球という競技をよりインクルーシブにしていくという意図があると僕は信じています。

実際にこの取り組みが強化に繋がるには長い年月が必要かもしれませんが、この小さな変化が水面の波紋が広がるように少しずつ大きく広がっていくことを僕は信じていますし、卓球の全日本選手権への障害者の競技団体の推薦枠を僕は心から応援します。

長い時間が必要かもしれませんが、この機会を障害のある方の卓球文化の向上に繋げる人は必ず出てくると思うので。

障害のあるなしに関わらず同じ人間です。だから可能性はたくさんあります。人間なめんなよとこのコラムにはいいたいです。

不可解ならその理由を当事者に取材して書けばいいのに。

まあちょっと感情的になりましたが、卓球メーカー大手のニッタクさんは、定期発行している機関誌に卓球バレー大会の結果を載せてます。ラグビー連盟もラグビーファミリーということで積極的に車いすラグビーとの関係性を作りました。これからの競技団体はトップアスリートだけではなく、より大きな受け皿を作っていこうとしています。この卓球も大きくはその流れの影響を受けていると思いますが、僕は少なくとも全日本選手権への障害者の推薦枠確保は他団体に先駆ける取り組みと思います。

(※リンク切れのため、外部リンクは省略致します。)

【卓球】全日本選手権に障害者の推薦枠を設置することの不可解さ(伊藤条太)

この記事を書いた人

橋本 大佑(はしもと だいすけ)
筑波大学で障害児教育を学んだ後、渡独して現地日系企業(THK株式会社)に勤めながら障害者スポーツを学ぶ。2009年に帰国し、障害者の社会参加を促進するためのスポーツを活用した事業を実施。2016年より現職。国内外で共生社会や障害者スポーツ指導者養成に関わる講習を行う。また共生社会の実現に向けて企業を対象としたセミナーやコンサルタントも行う。
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