令和5年版「障害者白書」を見て感じたこと
一度どこかで調べないといけないな、と感じています
もしかすると何度かFacebookの投稿では話題にしたかもしれませんが、今年度の「障害者白書」から障害者数が大きく増えました。
(外部リンク)
内閣府ホームページ
令和5年版 障害者白書 全文(PDF版)参考資料
https://www8.cao.go.jp/shougai/whitepaper/r05hakusho/zenbun/pdf/ref.pdf
昨年度の「障害者白書」では障害者の総数は974.7万人。
今年度の「障害者白書」では障害者の総数は1160.2万人。
全人口に対する比率では7.4%から9.2%に増加したことになります。日本に帰国した2009年は約700万人だったはずなので、10年ちょっとで1.5倍以上になっています。
今年の急激な増加は精神障害者の推計数の増加に伴うものです。障害者数は手帳発行者数ではなく、様々な調査から推計した値を使います。添付した画像(外部リンク:参考資料 図表4)の「精神疾患を有する外来患者数の推移」を見ると2017年から2020年に掛けて約200万人増加していることがわかります。
この2020年のデータが今年度の「障害者白書」から採用されて200万人増えたということになります。
2021年のパラリンピックでは「We the 15」という「世界人口の15%は障害者である」というキャンペーンが行われました。もう少し言うと「その障害者のうち9割は発展途上国にいる」というのが国際的に言われていることです。
15%を基準とすると日本の9.2%はまだ割合として少ないと考えることもできます。障害の基準が日々変わっていることは、障害のある人とない人の間にあるラインがすごくブレているということを表します。
必要な人に必要なサービスやサポートが受けられるようにするためには障害者と認定されることはわかりやすい基準ですが、最近は外国籍のこどもが言語や文化の問題で日本の学校で上手くいかないときに発達障害認定をするということも問題とされています。
勝手に切り分けられた「普通の枠」から外れる人に障害と言うレッテルを張って、杓子定規な対応をすることは好ましいことではありません。この障害者数の増加が、現場レベルでどういった変化に繋がっているかというのは一度どこかで調べないといけないなと感じています。