戦争と障害者福祉について
戦争と福祉の関係性
日本でも障害者福祉の歴史は、第二次世界大戦後の戦傷者福祉が元になってという話はよく聞きます。
近代障害者スポーツが、第二次世界大戦中の傷痍軍人のリハビリから始まっていたり、内線後の戦傷者向けの取り組みで視覚障害者となった人たちに宝くじの販売権を与えたスペインに世界で最も裕福な視覚障害者コミュニティがあったりと戦争と障害には大きな関わりがあります。
ウクライナへのロシア侵攻の現状
ウクライナへのロシア侵攻を受け、今年四月に傷痍軍人のリハビリセンターがウクライナ西部のリビウに設立されたというニュースを紹介します。
(外部リンク)
「戦争を終わらせないといけない」義手でもう一度戦地へ リハビリ施設で“訓練” 再起をかけるウクライナの兵士たち | TBS NEWS DIG (1ページ)
▷https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/618808
腕を失った兵士がプログラミングを覚えて故郷に帰り、就職するというエピソードも紹介されており、基本的には傷痍軍人向けに社会復帰のための必要な支援を行っていると思いますが、中にはリハビリを終えて再び戦地に戻ろうとする人がいることも紹介されています。
それ自体は個人の崇高な意志なので、どうこう言うことはしませんが、このリハビリセンターの名前は「スーパーヒューマンズセンター」と言います。
祖国を守るために傷痍軍人となった人を英雄視する意図があるのかと思いますが、これはこれで大きな同調圧力を生みそうです。
戦時における取り組みはあまり冷静な視点で評価すべきではないとも思うのですが、2012年のロンドンパラリンピック大会におけるパラリンピアンをスーパーヒューマンとするイメージ戦略は、一般の特別でない障害者にとっては決してポジティブには働かなかったと思うので、今回のニュースも結構考え込んでしまいました。