新障害者法案に向けて
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本日はコ・イノベーション研究所のインターンシップ生が本ブログを執筆いたします。
【障害者総合支援法改正案可決】
障害者総合支援法の改正案が12月7日に可決されました。
改正内容として、少人数で共同生活を送るグループホームの入居者が1人暮らしを希望する際、買い物の練習など事業者による支援ができることや、強制入院に関して精神障害者本人の同意がない医療保護入院を巡り、市町村長の同意があれば入院させられるよう見直す内容が明記されました。
【デジタル庁がウェブアクセシビリティのガイドラインを公開】
昨年6月に障害者差別解消法の改正法案が国会で採択されました。2024年6月までにこの法律は施行されますが、これまで民間事業者は障害者への合理的配慮は努力義務でしたが、努力が外れて義務となります。
つまり民間事業者についても不当な差別的扱いが生じないように合理的配慮を提供する必要があります。
それに伴い、ホームページについてもアクセシビリティ、つまりバリアフリー化が必要となることが想定されています。
ホームページのバリアフリー化が合理的配慮となるのか過重な負担になるのかは結構難しい判断ですね。
例えば、エレベーターのないビルの2階にある飲食店があったとします。全盲の視覚障害者が利用をする際には、点字メニューなどが有効です。この点字メニューは意外と安く作ることができます。見開き2頁くらいのメニューであれば数千円で作れると思います。そうすると、点字メニューを設置することは、金銭的には「過重な負担」とはなりにくいです。
ただ、階段の利用が困難な方を想定してエレベーターを設置しましょうとなると、今、調べてみたら4階建てのマンションに3人乗りのエレベーターを設置するために1500万円以上掛かるということですから、飲食店にとっては金銭的に「過重な負担」であると言えます。
ホームページについても、作ると数十万円、ちょっと凝ったものを作ろうとするともう一桁掛かることも珍しくはないので、ホームページのアクセシビリティ確保が、過重な負担となるかどうかは、民間事業者の規模によっても変わりそうに思います。ただ、サービスを障害のある人に対しても提供している事業者については対応の必然性は高まるのではないかと推察します。
デジタル庁のガイドを見てみると、いくつか画像を添付しましたが、例えば画像がスクロールするようなサイトはダメとか、かなり細かいところまで指針が書かれています。
こういうものを見た上で、特にIT系の企業のウェブサイトを見ると、確かに一時期流行ったスクロールするようなデザインは全くなく、アクセシビリティの高いものになっています。
障害者法案の改正や施行にあたって、民間事業者の参入等これから全員が意識する必要がありますね。