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COILセミナーvol.16を開催します『共生社会の実現に必要なユニバーサルデザインを考える』

COILセミナー開催のお知らせ『共生社会の実現に必要なユニバーサルデザインを考える』

~ユニバーサルデザインに必要なリソースを検証する~

共生社会への関心が高まる中、ユニバーサルデザインの重要性が高まっています。

国連の障害者権利条約の批准に合わせて行われていた国内の法整備を背景に、オリパラ招致による関心の高まりも合わせて、自治体・企業などさまざまなレベルで多くの取り組みが実施されるようになってきました。しかし、それと同時に「実際には使えないバリアフリーのモノ・サービス・建物が増えている」という指摘も多く聞かれるようになりました。

下記はバリアフリー化したにも関わらず、その目的が達成されていない代表的な事例です。車いすユーザーのためにスロープを設置していますが、スロープが急であるため、上るためにスピードが必要です。しかし、スロープの先に自動ドアがあるため、スピードがあると自動ドアが開く前にスロープを上りきってしまいます。

今回のセミナーでは、「ユニバーサルデザイン化を目的としているにも関わらずなぜそのような状況が生じてしまうのか?」をアクセシビリティの視点から解説し、「目的に合致した事業を実施するにはどうしていけばよいのか?」について考察していきます。

セミナー概要

【日時】 2018年6月18日(月)19時00分~21時00分(開場18時45分)
【会場】 江東区豊洲文化センター 第二研修室
〒135-0061東京都江東区豊洲2-2-18豊洲シビックセンター内 8F
【講師】 芳賀 優子(元NHK第二ラジオ 『聞いて、聞かせて』キャスター)
橋本 大佑(一般社団法人コ・イノベーション研究所 代表理事)
高橋 秀子(一般社団法人コ・イノベーション研究所 アドバイザー)
【主催】 一般社団法人コ・イノベーション研究所
【協力】 公益社団法人日本フィランソロピー協会
【定員】 36名

【セミナー参加費】 前売 2,700円(税込み)
当日 3,000円(税込み)
※介助者の方は無料です。

【申込方法】下記のリンク先(Peatix)よりチケットをご購入ください
http://ptix.at/GqOScs

セミナーの流れ

第一部 障害・アクセシビリティとは?

欧米では「障害」という言葉に対して「Impairment」「Disability」「Handicapped」という3つの言葉が異なる定義で使われています。日本においては、この3つの意味が「障害」という1つの言葉に集約され、混同されて使用されてしまっています。「障害」という言葉の国際的な定義から、アクセシビリティの意味を解説します。

第二部 アクセシビリティを高めるには何を解決する必要があるのか


講師が、前職でモノ・サービスのアクセシビリティ向上に貢献するために企業内で実施した事業の体験談(芳賀氏はヤマト運輸株式会社で宅配便の不在届けを視覚障害者が認識できる形式に変更、髙橋氏はLIXIL株式会社で建築士としてバリアフリー相談員として勤務)を事例として取り上げ、その事例が成功した構造について考察し、解説します。

第三部 2020年を契機に今、取り組むべきことは何か?

第一部、第二部を元に、共生社会を実現するために、今、取り組むべきことは何かについて考察します。

懇親会 ※希望者のみ

21時~22時30分 会費は3,500円程度を予定しています

セミナー講師プロフィール

芳賀 優子(元NHK第二ラジオ 『聞いて、聞かせて』キャスター)

福島県須賀川市に生まれる。生まれた時から弱視(ロービジョン)。高校までは盲学校で学ぶ。1985年に拓殖大学外国語学部スペイン語学科卒業後、ヤマト運輸株式会社に入社し、2007年10月まで勤務。2009年4月から2012年3月までNHKラジオ第二「聞いて、聞かせて」キャスターを務める。
現在の活動は(公財)共用品推進機構個人会員、埼玉県ユニバーサルデザインアドバイザー委員、さいたま市障害者政策委員会委員、社会福祉法人国際視覚障害者援護協会会員、公益財団法人都市緑化機構ユニバーサルデザイン共同研究会運営委員、日本福祉のまちづくり学会会員。

主な著書
・バリアフリーの商品開発 日本経済新聞社(共著)
・見えないってどんなこと? 一ツ橋出版(共著)
・弱視OL奮戦記 都市文化社
・弱視の人に出会う本 小学館(共著)
・ゆうことカリンのバリアフリーコミュニケーション 小学館(共著)

橋本 大佑(一般社団法人コ・イノベーション研究所代表理事)

筑波大学で障害児スポーツを学んだ後、渡独して障害者の社会復帰過程におけるスポーツの活用法について学ぶ。健康保険の適用範囲で地域スポーツの指導が可能となるドイツリハビリテーションスポーツ指導者資格を取得。2009年に帰国し、スポーツを活用した障害者の社会参加促進プログラムに取り組み、国内外で指導法やソーシャル・インクルージョンのためのスポーツの活用法などに関する講習を行う。2016年より現職。

髙橋 秀子(一般社団法人コ・イノベーション研究所 アドバイザー)

前職のLIXILでは建築士の資格を活かし、特別な配慮が必要な顧客を中心としたバリアフリーコンサルタントを務める。退職後も経験を活かし、ホテルや郵便局などのバリアフリー化のコンサルタントを行う。総務省行政相談員。新宿区社会福祉協議会 地域福祉部会委員及び福祉・住宅相談員。(公財)共用品推進機構個人会員。心理カウンセラー。

COILセミナーについて

コ・イノベーションセミナー(COILセミナー)では、人格と個性を尊重して支え合い、多様性を相互に認め合える「共生社会」を解決すべき社会課題として捉え、多様なステークホルダーを巻き込み、解決につなげることで、社会的な価値だけではなく、経済的な価値を創出することを目的として、専門的な知識を持つゲスト講師の講演や、東京2020に関する最新トピックス、新しい時代における人材開発や組織開発に関するセミナーを実施します。

【コラム】アクセシビリティと共生社会

2014年の国連障害者権利条約を批准に向けて日本国内では障害者基本法や障害者差別解消法など様々な障害者関連の法制が整備されました。そして2013年のオリパラ招致決定を受けて、障害者施策への関心は大きく高まり、障害の有無に関わらず相互に支えあう誰もが活躍する共生社会への動きが加速しました。

共生社会を実現するときには障害者の人権について考える必要があります。「入り口に段差があるからお店の中に入れない」「視力に障害があるのでタッチパネル式の券売機が使えない」など障害があることによってモノやサービスが使えない場合があります。このように障害が原因で利用できるモノやサービスに制限があることによって障害者は人権が制限されていると考えることができます。こういった状況を解消するためには、使いにくい原因を解決することでモノやサービスのアクセシビリティ(利用しやすさ)を高めてユニバーサルデザイン化をすることが重要です。

このとき、使いにくい原因として「障害」を考える際に、「障害」という言葉を国際基準で分類して考える必要があります。海外では一口に障害と言っても「Impairment」「Disability」「Handicapped」という3つの言葉が用いられます。日本ではこのような言葉の分化が行われなかったため、海外では3つの意味に分類して使われている意味が「障害」という単一の言葉にまとめられてしまっています。

バリアフリー化やユニバーサルデザイン化を考えるときには、この3つの障害のどれを解決するかを見極めることが重要で、それを見誤ると本来ユニバーサルデザイン化を意図していたにも関わらず、より使いにくい変更が行われてしまうような場合もあります。そのため近年では「実際には使えないバリアフリーのモノ・サービス・建物が増えている」という指摘も多く聞かれるようになりました。

障害の意味をしっかり理解し、何をどうやって解決するかを抑えることがモノやサービスのアクセシビリティを高め、ユニバーサルデザイン化を進め、そして共生社会を実現していくためには重要です。今回のセミナーでは、障害・アクセシビリティの意義を解説し、アクセシビリティ向上の好事例の考察を通して、2020年を契機とした共生社会の実現に向けて今取り組むべきことを考えていきます。

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