一般社団法人 コ・イノベーション研究所

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by QUIs(くいず)

JICA課題別研修東北編2日目

はじめに

こんにちは!コ・イノベーション研究所インターン生の中島です。本日はJICA課題別研修(スポーツを通じた障害者の社会参加の促進)東北編2日目の様子をお伝えしていきます。

講義:被災地における障害者とスポーツ

最初は釜石魚河岸にぎわい館「魚河岸テラス」にて、昨日に引き続き帝京科学大学准教授岩沼聡一朗先生による被災地における障害者とスポーツの講義でした。震災後に行われた支援について、本心から感謝の気持ちを抱く場合と皮肉(ありがた迷惑)としての「支援」がありましたが、両者の違いは対話があるかどうかであり、最終的には自立をするための支援が重要とのことです。この復興の過程はリハビリテーションと似ており、社会と繋げていくことが大切です。

また、スポーツをする際にはプレイ以外にも関わることのできる場面がありますが、ただ傍観しているだけにならずにアドバイスをするなど、みんなが参画する仕組みを作ることが必要とのことでした。グループディスカッションでは、被災地において限られた空間でみんなが楽しめるスポーツのアイディア出しを行いました。

講義:東日本大震災当時の障がい者の状況と対応

その後釜石市オープンシティ・プロモーション室室長補佐佐々木英明さんに、東日本大震災当時の障がい者の状況と対応についてお話しいただきました。避難の難しさに目が行きがちですが、避難生活においてもバリアフリーが不十分といった課題を考慮する必要があると学びました。

釜石鵜住居復興スタジアム訪問

午後は釜石鵜住居復興スタジアムにて、釜石市文化スポーツ部スポーツ推進課課長補佐兼ラグビーのまち推進係係長佐々木智輝さんに、RWCと鵜住居復興スタジアムにおけるバリアフリー対応についてお話しいただきました。震災後にラグビーワールドカップの誘致を目指すことについて、当初は市民からの反対意見もあったようです。最終的には合意を得て、震災復興に寄与してラグビーの価値を高めたことを評価され、ワールドラグビーアワードにてキャラクター賞を受賞しました。

バリアフリーの取り組みについて、ラグビーワールドカップ開催時にチケット申し込みの段階から障害のある方への支援体制を構築していたほか、スタジアムに車いす用の席を多数確保するなどインクルーシブな体制が確立しています。

講義:釜石市における持続可能な観光

続いて根浜シーサイド・レストハウスにて、株式会社かまいしDMC地域創生事業部根浜・箱白地域マネージャー佐藤奏子さんに、岩手県釜石市における持続可能な観光とインクルーシブな取組みについてお話しいただきました。釜石市では、特別な観光資源ではなく普段の姿を見せていく観光振興ビジョン「釜石オープン・フィールド・ミュージアム構想」の策定、持続可能な観光の実現によるグリーン・ディスティネーションズの日本初取得など、観光分野にて先進的な取組みを行っています。

釜石ユニバーサルビーチプロジェクトでは、障がいをもつ子どもとその家族、そして障がいがない人も含め誰もが楽しめるイベントが実施されています。市民や行政、観光DMCなど多様な関係者が連携することで、現在の活動が実現したそうです。

いのちをつなぐ未来館訪問・避難経路追体験

本日ラストは、震災伝承施設であるいのちをつなぐ未来館の視察、避難路追体験を行いました。この施設は震災の伝承だけでなく、今後に備えた防災学習の役割も担っています。株式会社かまいしDMC地域創生事業部川崎杏樹さんに、鵜住居町の地理的特徴や震災当時の出来事をご説明いただきました。当時鵜住居地区防災センターに避難してきた多くの住民が亡くなったことから、避難訓練など防災の取り組みを正しい知識のもとで行う重要性を実感しました。

最後は震災当時中学生だった川崎さんのお話を伺いながら、実際に避難をした経路を辿りました。もし先生の判断が数分遅かったら、もし地域の方の助言がなかったら、何か一つでも違えば小中学生たちが大勢亡くなっていたと思うと、生死は紙一重だったのだと恐ろしく思います。津波を見た際の状況や川崎さんご自身の心情など実体験に基づくお話は強烈で、津波の恐ろしさを実感しました。当時の先生や小中学生の判断・行動は、日頃から訓練をしていたが故にできたことです。川崎さんも「備えることの大切さを感じてもらいたい」と仰っていました。

この記事を書いた人

QUIs(くいず)
COILインターンシップ
コ・イノベーション研究所(COIL)インターンシップ生によるチーム。社会課題の解決、共生社会の実現に向けて事業立案、企画運営、コンテンツ制作など取り組んでいます。
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